運動をすると血糖値が上がる?下がる?実際に運動して血糖値を測定してみた!

食後に運動すると血糖値が下がるとか、太らないためには食後1時間以内に運動するのがいいといわれますよね。

それでは、食後でなく血糖値が安定した状態で運動をするとどうなるのでしょうか。

強度の高い激しい運動をすると、逆に血糖値が上がることもあると聞いたことがありますが本当でしょうか。

疑問に感じたらやらないと気が済まないブログ管理人が、実際に実験してみましたのでレポートします。

本記事でわかること
  • 平常時に運動すると血糖値がどうなるか?
  • 強度の高い激しい運動をすると血糖値はどうなるか?

運動中の血糖値と心拍数の測定方法について

まずは、血糖値と心拍数の測定方法についてご説明します。

血糖値の測定方法

測定機器には、本ブログ読者おなじみの『FreeStyleリブレ』を使用しました。

この機器を左腕に装着することで、15分ごとに自動的に血糖値を測定することができます。

注意点

FreeStyleリブレが測定しているのは、「細胞の間質液内のグルコース濃度」なので、正確には血糖値ではありません。

しかし、メーカーやその他の研究によると血糖値と十分な相関関係があるとのことなので、本実験ではこの測定値を血糖値とします。

FreeStyleリブレについて詳しく知りたい場合は、以下の記事をご覧ください。

心拍数の測定方法

心拍数の測定に使用した機器は、市民ランナーに人気のスマートウォッチ『GARMIN(ガーミン) ForeAthlete 235J 』です。

今回の実験では、運動中の最大心拍数を15分ごとにグラフにプロットしました。

ガーミンとスマホアプリを連携すれば、いろいろな測定結果を統計として確認することができてとても便利です。

運動の内容と強度について

今回の実験では、1キロ4分ペースの速さで1時間程度のランニングをしました。

このトレーニングが体にどれくらい負荷になるかは、もちろん個人差がありますが、わたしにとっては「かなり強度の高いトレーニング」といえます。

わたしの場合は、心拍数が164以上(最大心拍数の90%)になると高強度の運動ということになります。

心拍数を測定したガーミンの判定でも、下の画像のように「ゾーン5(高強度)」という判定になっています。

血糖値の測定結果

運動中の血糖値と心拍数の測定結果のグラフがこちらです。

測定開始から測定終了まで3時間弱、時系列の変化を15分ごとにプロットしています。

時系列ごとの運動の内容を下に補足しておきます。

測定開始〜30分(0:00〜0:30)

準備運動や動的ストレッチ中などをしていました。

血糖値は100以下ですが、軽くジョギングをしているので、心拍数が少し上がっています。

②1時間トレーニング(0:30〜1:30)

強度の高いトレーニングを開始しました。

実際は0:30より少し前に運動を開始したので、0:30の時点ではすでに心拍数が上がっています。

開始から1時間くらいほぼ同じ強度でランニングをしていましたので、最大心拍数は徐々に上がっていきます。

クールダウン(1:30〜2:30)

メニューを終了して、クールダウン、帰宅までの時間です。

心拍数と血糖値が両方とも下がっています。

考察

心拍数の上昇に15分遅れて血糖値が上がったようにみえる

トレーニングを始めてすぐに心拍数が160を超えて、その後ほぼMAXの185くらいまで上がりました。

インターバルトレーニングなので、トレーニング1時間ずっと心拍数がMAXではありませんが、全体を通して平均165くらいでした。

グラフをみると、心拍数が上がってから15分くらい遅れて血糖値が上がってきているように見えます。

今回のFreeStyleリブレによる血糖値測定では、「実際に測定しているのは血糖値ではなく、細胞の間質液のグルコース濃度」です。血管から間質液にグルコースが染み出してくるのに15分くらいの時間差があるのかもしれません。

血糖値は最大191まで上がった

血糖値がどこまで上がったかというと、最大で191になりました。血糖値の測定を始めたときが97なので、+94ということになります。

わたしは、ふだん食事をしても血糖値140を超えることがほとんどないので、正直ビックリしました。というか本当にビビりました。

運動したら血糖値が上がったのはなぜか?

一般的に、「運動をすると血糖値が下がる」といわれることが多いです。「運動することでエネルギーが消費され、糖が使われるため、血糖が下がる」というのが理屈です。

それでは、今回の実験で血糖値が急激に上昇したのはどうしてでしょうか。
理由を考えてみました。

血糖値が上昇した仕組みの考察
  1. 強度の高い激しい運動を始める
  2. からだが動くためにエネルギー(血糖)を補充しようとする
  3. カテコールアミンなどのホルモンによって、血糖値が高くなる

まとめ

本記事では、運動が血糖値にどんな影響を与えるのか実験してみました。

食後の運動が血糖値を下げるということがいわれますが、実際に試してみないとわからないこともあります。

大事なことは、「医者やテレビがいっていることを盲信しないこと」ではないでしょうか。

ご興味があるかたは、FreeStyleリブレを使って、ご自分で試してみると面白いと思います。

FreeStyleリブレは、「リーダー」と「センサー」が別売りになっていることが多いのでご注意ください。

2 COMMENTS

増田 高也

1型糖尿病ランナーです。
この記事はFBで発見しました。
全く同じ事をやっている方がいてビックリ。
本番はスタート時は140mg/dl前後。ハーフで200mg/dlに上がる様にコントロール(アドレナリンが関係していると思う)後半は糖質を摂りつつ走りゴール時は130~150mg/dlが理想。
自分のデータですが血糖値は心拍数や気圧、バイタルと大いに関係があるという結論です。
1型糖尿病のハンデ(?!)を武器にして1型糖尿病ランナーシニアクラス世界初のサブ3を達成しました。
これからもお互いに頑張りましょう。
増田高也です。
本も執筆していますので興味があればamazonで、ランニングと1型糖尿病にまつわる事を書きました。
よろしくお願いします。

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ヤギ@ロカボラボ研究員

増田さま

コメントありがとうございます!管理人のヤギです。
素晴らしい活動と経歴をお持ちですね。尊敬いたします。

私もFreestyleリブレを着けてフルをやってみようと思っていた
のですが、ランの調子を落としてしまい、未だできずにいました。
共有いただいたデータも大変参考になりました。ありがとうございます。
「マラソンのパフォーマンスと血糖値の関係」というテーマは深いですね。

いつかレース会場でお会いできることを楽しみにしています(^^♪

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